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作家ファイル5 萩原純子「目の前の緑を どこまで再現できるかが課題」

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●出品で学んだ「描く」ことの緊張感。

 故日原晃氏にちなんだ「 H 氏賞」受賞作(第 33 回岡山光風会展)『朝霧(ぶな林)を、「その美しさを誰よりも知っている作者が描いたもの」と福島隆壽先生は称した。

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自身の住む西粟倉村の原生林を描き続けている萩原純子さん。1枚の作品のために、ご主人と1時間以上かけて山道を登る日々が数日続く。

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「風景がもっている品格や神々しさまで絵に盛り込もうとしている」(福島先生)ほどに、彼女はその雄大な自然に日々静かに向き合っている。

 しかし、そんな萩原さんが本格的に絵筆を握ったのは、なんと 50 歳で小学校教諭を早期退職してから。柴田晴江先生の絵画教室に通ったのがきっかけだったという。家事や介護に追われる日々のなか、何とか時間をやりくりして週に一度、津山の教室まで通ったのだそうだ。その後、鷲田重郎先生、高山始先生に師事。このころから県展をはじめ、さまざまな絵画展に出品するようになった。

「あっちに出せ、今度はこっちに出せ、と先生の言われるままに、ただ夢中で描いていました」と当時を振り返って笑う萩原さん。けれどもこの日々が、何よりの研鑽になったとも言う。

「他人の目に触れられるという緊張感やプレッシャーが大切なんですね。習作ではなく、作品として最後まできちんと仕上げる過程で得られることがたくさんあるということもわかりました」

 この経験をふまえて、自ら主宰する絵画教室の生徒さんにも、毎年年賀状や書中見舞いを「描く」という課題を出しているそうだ。

「手近にある野菜でも花でも何でもいいから、必ず実物を見て描いたものを送ってちょうだいね、って。楽しみながら描いてほしいし、これもきっと力になると信じています」

 今年の県展に出品した生徒さん 10 人のうち6人入選、うち2人入賞という快挙も、おそらくこんな指導の賜物に違いない。

●四季の移り変わりを描くのが目標。

 ところで萩原さんは、その独自の画法でも知られている。たとえば着彩の順序には自分で決めた規則がある。砂を入れたマチエールも特長。また現場に出かけるときには、あらかじめ色を練っておいた数種類の絵の具の小瓶を持参するのだそうだ。

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「刻々と変化していく自然を相手にしている貴重な時間を、色を作るのに費やすのがもったいなくて思いついたんです。うちにいるときに写真を見たりしながら、自分の見た色彩を一所懸命思い出して、色を作っておくんですよ」

と萩原さん。木々の緑は題材として難しいからやめろと、かつて言われたこともあるという。

「でも好きな題材だから必死になれるんだと、描き続けてここまで来てしまいました。木々の生命力を目の当たりにしたときの感動を、なんとか描いていけたらなあと思っているんです」

もっとも好きなのは初夏の原生林だが、四季折々の美しさも捨てがたい、と萩原さん。いずれ同じ構図で四つの季節を描いてみたいと意欲的に語っている。

構成・文/中原順子(フリーライター)



3月の岡山光風会関係展覧会について

3月の岡山光風会所属作家の展覧会のご案内です。

○「いま輝けるものたち 昴展」
会期:3月28日(水)~4月3日(火)
会場:あべのハルカス近鉄本店タワー11階美術画廊
岡山光風会の出品者:石田宗之
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○「二人展」
会期:3月28日(水)~4月2日(月)
会場:art space テトラヘドロン(岡山市北区)
岡山光風会の出品者:林敏明
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